最近読んだ本など



1:マンスフィールド短篇集―疲れた子,少女,幸福,人形の家 他九篇 (1952年) (岩波文庫)


2:幸福/園遊会―他17篇 (岩波文庫 赤 256-1)


3:マンスフィールド短篇集 (1957年) (新潮文庫)


今年の夏の納涼古書まつりで買ったのが1。2はその1から3つの話を削ってさらに9つの話を加えている。3は15の話のうち岩波と重複しない話が7つ。 
最初に読んだ1の最初の話『疲れた子』という話がもう衝撃的だった。
こき使われた使用人の女の子が疲れ果てて朦朧として、どうにも泣き止まない赤ん坊を・・・というお話。
こりゃあブラックで面白いと思ったら、2の本ではしっかり削られていた。やはり倫理的に問題があるのか・・・
すると驚いたことに、同じく今年の夏の納涼古書まつりで買ったチェーホフの本のうち短篇の『ねむい』が全く同じシチュエーションで赤ん坊を手にかけてしまう。


4:世界文学全集〈第28〉チェーホフ (1961年) 三人姉妹・桜の園・六号室・かわいい女 他


何だこれは?
年代からすると、当然チェーホフのほうが先だから、マンスフィールドが話をパクったのか?
よくわかりません。 でも面白いからいいです。


5:さも虎毛の三毛―住まいの愉快学 (住まい学大系)


回文作家でもある土屋先生の日々のこだわりのエッセイ。
随所に日常の可笑しさがにじみ出る。


6:

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)


須賀さんの美しい日本語表現を読んで心を落ち着かせる。


7:

謎のギャラリー―こわい部屋 (新潮文庫)

謎のギャラリー―こわい部屋 (新潮文庫)


このシリーズのアンソロジーはハズレがないので安心して読める。
特にじんわりと奇妙に寒くなる話がたくさん散りばめられているので大変お得である。
特に『煙の環』、『やさしいお願い』、『ナツメグの味』が個人的にこわいです。


8:

白鯨 上 (岩波文庫)

白鯨 上 (岩波文庫)


昨年の夏の納涼古書まつりで買った本にようやく手をつける。
しかしこれはまだ上巻。
中と下がまだ控えている。
初めて触れる『白鯨』の上巻の感想は何というか、全然話が進んでいかず、小説というより抒情詩という感じ。
最後の方でようやくエイハブ船長が出てきた。
さあこれからだ!と思うんだけれど、続けて中巻には行かずに別の本を読んでしまう・・・


全然関係ないですが白鯨と入力しようとして「はくげい」を変換すると「吐くゲイ」と表す私のパソコンはかなり阿呆だと思います。


9:

世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)

世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)


ダンセイニの『二壜のソース』という短篇が奇妙で傑作ということなので、この本に収められているのを読む。
うーん、面白い! 単なる推理小説とは変わったテイスト。

10:

二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)


で、JRなんば駅付近に新しくできたジュンク堂書店に寄ったら、たまたまこの本が目に付いたので買ってしまう。『二壜のソース』じゃなくって『二壜の調味料』になっているけど同じ話。
同様の短篇がいろいろ収められているけれども、やはり表題作の奇妙な味を越える作はないようです。
強いて言うなら最後の『アテーナーの楯』が唯一怪奇幻想っぽいテイスト。


11:

ステイショナリー・ワンダーランド―伊東屋の文房具たち

ステイショナリー・ワンダーランド―伊東屋の文房具たち


銀座の老舗文房具店「伊東屋」の扱うデザイン良し・機能良しの文房具の数々が紹介。
文房具好きにはたまりません。
以前、勤めていた会社の本社は銀座にありました。
けれど銀座で何の美味しい事もなく、この伊東屋のような素敵な店があることも知らずで残念なことです。
ぽくぽく。