『 にぎやかなおくりもの 』


以前にどこかで書いたかもしれませんが、私、お友達とユニットを組んで豆本を創作しています。
でも挿絵も装丁も全部相方がやってくれていて、私はちょろっとお話考えるだけなんですわ・・・
出来上がった豆本はそれはそれはなかなかの出来ばえで、手前味噌ですが、売れるんぢゃないの?とか思ったりもします。


今日、去年クリスマス用に作ったお話の続きを考えたのですが、ちょっと豆本のお話にはならない感じなので、ここに載せておこうかなあと思いました。
が、去年の話を載せとかないと登場するキャラクターがちょっとよくわからないかもしれないので、まずは去年用の小さなお話(豆本なのでかなり字数をそぎ落とした文)をどうぞ・・・

                                                                                    • -


『にぎやかなおくりもの』


ここだけの話、実はサンタクロースは一人じゃない。 しかし、最近の格差の風はサンタ社会にまで吹き及ぶ。


先祖代々、資産家のサンタはプレゼントもリッチだが、サンタ歴の浅い私には不況の今年はつらい立場だ。


私の数少ない担当であるマロン家のモン君もブランちゃんも期待して待ってるはず。 大きな靴下をつるして・・・


私がため息を量産していると、相棒であるトナカイの佐藤君がポンポンと私の肩をたたいた。


佐藤君が言う 『まあ元気だしなって。』 そう言って彼は私の赤いアコーディオンをさしだした。

                      1. +


クリスマス前夜、私と佐藤君はマロン家の子供部屋に舞い降りた。 子供達は眠ったフリして私たちを待っていた。


『ごめんね、今年はプレゼントがないんだ』 と私は素直に謝った。 『いいの、サンタさんがきてくれただけで』


私は取り出したアコーディオンで「そりすべり」 を弾き始めた。子供達が笑顔で手拍子。 佐藤君が踊りだす。


子供達と佐藤君が三人で和になって踊る。 佐藤君得意のブレイクダンスも加わる。 私のアコーディオンも軽快だ。


『ああ楽しかったよ、ありがとうサンタさん♪』  『トナカイさん。来年も絶対来てね♪』